おじさんに身をゆだねた人生
こんばんは、トラジです。
今回は「第一回やまたかヒョロワー性癖布教選手権」があると聞き、多くのオタクにジブリ作品に散りばめられた性癖の欠片の数々に気づいてもらうチャンスだと思いこの記事の作成に取り掛かりました。
そもそも、ジブリというのは人間誰しもが一度は見たことがあるのではないでしょうか。オタクにジブリに関心を持ってもらいたいとは言いましたが、ある程度、なんなら私よりも多くのジブリ作品を見ているオタクも多くいると思われます。
しかし、今回は「性癖布教」。22歳になった私の人生で集めて編成した「性癖デッキ」のキーカードであり切り札である「ジブリ」。今回はその作品に登場するある少女の話をしていきたいと思います。
みなさんは『魔女の宅急便』を見たことがあるだろうか。
見たことがなくてもなんとなくその内容や登場人物を知っているのではないでしょうか。その登場人物こそ私が人生で一番好きな女性キャラ、14歳の見習い魔女のキキです。
紺色のワンピースを身に纏い、大きな赤いリボンを頭に乗せ、不満げに街を眺めるこの少女が今回の私の性癖、キキです。
ここで少し豆知識ですが
写真のジジ(黒猫)が獣の目をしているのがわかるでしょうか。
これは魔女の宅急便の原作で説明されていることなのですが(ジブリ版が設定に倣っているかは不明)、魔女の子供は生まれた年に同じ年に生まれた黒猫を飼う風習があります。そして、その黒猫はその魔女と話せるようになります。
しかし、その黒猫と話せなくなってしまうタイミングがあります。
それが「恋」をした時です。
こちらの映画のラストシーンを見るとジジの眼が獣の眼になっていることがわかります。このような描写からジジが話せなくなった理由は「キキが恋をしたから」というような説が上がるようになりました。
しかし監督である宮崎駿は「トンボとキキは恋人同士ではない」と明言しています。そのような監督の発言から「キキが成長したからジジと話せなくなってしまった」というような説も出てきました。
また、魔女の宅急便は宮崎駿にとって「天才がスランプに陥った時、どう成長するのか」というテーマがありました。
今まで生まれつき当たり前に使えていた力である「魔力」を失ったキキは今までできなかったこと、『0』を『1』にするために「努力」したことがないため、「初めからできた」キキには『できない』から『できる』への架橋の方法をしらないために長いスランプに陥ります。
田舎から一人で街に出て、魔女はもちろんいないため、相談できる人も、同情してくれる人もいません。『誰も私のことなんてわかってくれない』そのような深刻な壁にぶち当たる思春期特有のクソデカ自意識を表現した作品である、ということです。
話は戻りますが、最初のパン屋の店番をしているキキの写真。あれは物語が終わった後のキキの描写なのではないかと私は考えています。
両親には「大丈夫、心配しないで」と強がりますが、やっぱり思春期だから不満はなくならない。そんなワンシーンだと思います。
で、
私が言いたいのはそんな難しい話ではなく
キキのここがイイ!!
を言いに来たんですよ。私は。
まずね、紺色のワンピースというセンスね。
いや、かわい。天才じゃん、駿。
なんていうんだろう。このぶかぶかのワンピースの愛おしさ。
何のために存在しているのかわからない余った丈。
未熟さみたいなのが服一つに表れていて凄くイイよね。
私事ですが、紺色が昔から大好きでなんかおしゃれだなって思うんです。
私たち男性が女の子が部屋着で大きめのシャツを着ているとドキドキするのはたぶんこれを幼少期に魅せられたせいではないでしょうか。
てかオソノさん(パン屋のオーナー)も言ってました。
「黒は女を美しくみせる」
いや、そう。そうなんだよね。喪服とかちょっとドキドキするし。
多分こういう「黒系の服×女=最高!」みたいな感性はここで作られているような気がする。
あとはまあ説明不要だとは思いますが、必死なのがイイ。
必死なんですよ、彼女って。この町で生きていくために。
必死なのに自分の苦悩をわからない「凡人」だらけでもう嫌ってなるんですよね。
その時に出会うウルスラという絵描きの少女。
キキはこの絵に感銘を受けるんですよね。
見てくださいこの目。
キキとウルスラとの出会いって私たちでいう
「中学の時に初めて聞いて衝撃を受けたロック歌手」
「自分の人生を変えてしまうほど夢中になったあの作品」
みたいなもんなんですよね。13歳のキキが出会うにはあまりに刺激的だった。作中で出てくる中でキキと同じくらい好きなキャラです。
楽しそうなときには涙が出るほど笑って、悲しいときにはかなりバッド入るこの感じがまさに思春期って感じしていいですよね。
だからこそたくさん悩み、たくさん失敗する。
箒が飛ばなくなり、地獄の苦しみに毎日耐えるキキを私たちは痛々しいな、と思いながら「がんばれ・・・がんばれ・・・」と心の中で思うのです。
特に作中でそのシーンは非常に彼女は孤独に描かれています。
それを乗り越える彼女の成長にも涙が出るし
大好きな要素は語り切れないんだけども、何より。
顔が良いよね。普通に。
いやマジで可愛いな。
なんか普通にびっくりしました。あまりにも顔が可愛すぎて。
女は愛嬌とはよく言ったもので、よく動く眉毛と、ウルウルしたつぶらな瞳と、ほっぺが赤いところとか。
キキってずっと何か持ってるんですよね。まあ宅急便なので当たり前なんですが。
小さい体で自分よりでかい箒持ったり、クソデカイ魚のパイ持ったり、余計にでかい鳥かご持ったり、自転車につかまってたり、言うこと聞かない箒にしがみついたり。
そういう描写の一つ一つに「街に振り回されてるキキ」を感じて愛おしくなりますよね。なりますよね?
というかこの記事を書く前から気づいていたのですが、これってキキに魅せられて私の性癖が歪んでいったんじゃなくて、奴のせいなんですよね。
宮崎駿、こいつのせいです。
私は人生単位でこのおじさんの性癖に付き合わされています。助けてください。
もうね、キキが好きって言ったけどこのおじさんの描く女全員好きなんですよね。
気持ち悪いでしょ。このおっさんが描く好きそうな素朴で健気で一生懸命な女の子のことを私はずっと追い続けてるんですよ。
私の場合『性癖』っていうのが「このシチュが」みたいなそういう話ではなく、完全に現実世界との区別がつかなくなっちゃってるんですよね。「こういう女」じゃないとって思ってしまう段階までこの”癌”が進行してしまっています。
「あなたの性癖を教えてください。」
こう聞かれれば、こう答えるでしょう。
「宮崎駿が創るものの全てです。」
と。
なんだか自分の性癖に影響を与えたキキの魅力を伝えようと思ったら、作品の魅力ごと紹介してしまいました。
普段シャニマスで妄想記事を書いている私ですが、正直キキならあの記事の5倍はキモく仕上がります。
「え・・?あの記事よりも5倍キモくさせるキキって女、何者?」
と思っていただけたなら是非、映画『魔女の宅急便』をご覧になってください。
きっと数年ぶりの「魔女宅」にはいろんな発見や感動があると思います。
いろんなアニメを見て目を肥やしている皆様なら、大人になってから気づく表現や描写の中にある宮崎駿の「変態性」に気づき、それをまた楽しめることでしょう。
では!